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「デビルズライン」先行上映会公式レポート

花田陵の同名原作をアニメ化し、鬼とヒトの究極の愛を描く『デビルズライン』の先行上映会が、3月29日(木)に新宿バルト9で開催。いち早く映像を見ようと、10倍もの応募数の中から選ばれた約400人の観客が会場を訪れた。上映されたのは、第1話と第2話をつなげた50分ほどの映像。鬼の優れた身体能力を示すスピード感溢れるアクションから、生々しい血しぶきや「切なエロ」までがリアルに表現されており、一瞬も見逃すまいと固唾を飲んでスクリーンを見守っていた観客から、上映後に大きな拍手が送られた。

上映後のトークパートには、安斎結貴役の松岡禎丞、平つかさ役の石川由依、李ハンス役の木村良平、沢崎孝役の細谷佳正、吉井健一役の蒼井翔太が登壇。仕上がった映像を見た感想や、それぞれが演じるキャラクターの魅力などを語った。

主人公の安斎を演じる松岡は、「すばらしい映像が仕上がって、キャストの我々も頑張った甲斐があったと感じていますし、これもひとえにみなさんの応援があったからだと思います」と、少し緊張した面持ちながら、主演らしくキャストを代表してファンに感謝の気持ちを示した。

安斎に惹かれていくヒロインを演じる紅一点の石川は、「攻めてるな、という印象です」と映像を見た時の率直な感想を、明るい声で一言。恋愛要素の強い作品は初めてだが、「つかさにも大胆なところがあって、安斎に対して“攻めて”いると思います。頑張ります(笑)」と、新たな挑戦があることに照れたような表情を見せながら、「原作のある作品ですが、展開が早いので、これからどう繋がっていくのかと楽しみです」と、この先の展開を心待ちにしていることを伝えた。

石川と同じように「攻めているな!と感じました」と語ったのは細谷。「それは血しぶきのほうか、ヌードのほうか、どちらですか?」と質問する木村と、冗談をまじえた掛け合いで会場を盛り上げたが、安斎とつかさが絡むシーンでの“声”に話が及ぶと、「いやいや、笑い事じゃないですよ!?」と細谷。2人が真摯に取り組んでいるからこそ、恋愛シーンが本作の大きな見どころになっていることをアピールした。

各キャラクターを紹介する場面では、アフレコ現場に顔を出すこともあるという花田氏から、キャストの演技に対する感想が到着。松岡は、鬼とヒトのハーフであることや、謎の多い生い立ちから安斎の性格を分析し、今までにないほどの低音を意識しながら演じていることを明かした。花田氏が「1話1話の収録がハード」という松岡の喉を心配するも、松岡は「大丈夫です!翌日にはすっかり良くなっていますから!」と、花田氏を安心させるような心強いコメント。花田氏は、自分から人に話しかけるタイプではない安斎の姿がシャイな一面を持つ松岡と重なる、とも指摘した。

鬼である安斎を怖がることなく徐々に心を開いていくつかさについて、石川は「普通の女の子に見えて、どこか浮世離れしている。怖いことが起きているという危機察知能力は高いんですが、危機管理能力が低くて、危ない目に遭うことがあるので心配。でも安斎と出会うことによって強く成長していく姿が見られるキャラクターです」と紹介。花田氏は「可愛らしさの中にも芯がある」と、つかさらしさを十分に表現している石川の演技を賞賛。「石川さんがアニメの終わりに向かってどんな声を聴かせてくださるのか」と、これからの演技にも期待を寄せた。

安斎と同じく鬼とヒトのハーフだが、住所不定で神出鬼没というミステリアスな存在、李ハンスを演じるのは木村。他の作品ではあえて原作を読まずに現場に入るが、台本を読んでもハンスのことが掴めず、デビルズラインは原作を読んでから収録に臨んだことを吐露。「僕はハンスのことが好きですね。ちょっと浮いている存在が作品世界に色を添えている気がします」と客観的に見たハンスの感想を、落ち着いた口調で語った。また花田氏から「頭が良くて無邪気なハンスをいいバランスで演じているのはすごい」と、謎の多いハンスの特徴を見事に捉えていることを高く評価されると、「今度(花田氏に)美味しいものをご馳走しようと思います!」と話して笑いを呼んでいた。

細谷が演じる沢崎は、鬼による事件を専門に扱う警視庁公安五課F班のリーダーで、安斎の上司。警察官役が初めてという細谷は、「喋り方は体育会系なのか? 無線では早口のほうがいいのか? 意識しているのは、現場の叩き上げのような“所轄感”。演じながらキャラクターを作っています」と試行錯誤しながら役作りしていることを明かした。花田氏のコメントを聞くまで心配そうな表情も見せたが、「頼もしいお声と喋り方が沢崎のイメージにぴったりです」と太鼓判を押され、安心したような笑顔に。さらに「細谷さんのセリフを聴くのはとても楽しいです」と聞いて、「嬉しい!今日はこのまま帰ってしまいたいくらい嬉しい(笑)」と満面の笑みを浮かべていた。

蒼井が演じるのは、鬼の排除を目的とするテロ組織CCCに所属するゼロキューこと吉井健一役。東山奈央が演じるゼロナナこと天城那々子に好意を寄せているキャラクターだが、蒼井は現場で、あえて東山の近くに座らないことにこだわっているとか。その理由を「話が進めば、なぜそういうことをしたのか、わかっていただけると思います」と語った。

また蒼井は、自身が歌唱するOP曲『Eclipse』について、「大切な人を思えば思うほど湧き上がってくる欲、自分では望んでいないような衝動、それらの葛藤や罪悪感を表現したかった。安斎とつかさちゃんのセクシーなシーンを思わせる歌詞もあります」と安斎の気持ちを曲に反映したことを紹介。花田氏は蒼井が演じる吉井について、「蒼井さんの愛らしさがキューちゃんっぽいなと思うことがあります」としながら、「逆にOPでは、松岡さんとは別の意味で、安斎っぽさや鬼っぽさが強く出ていて、とてもかっこいい。あのキューちゃんがこのOPを歌っているという見方をしても、ギャップがあって素敵」と絶賛。それを聞いた蒼井は「フゥ〜、良かった!」と胸をなでおろしていた。ただ、松岡と自分の存在が重ねられたことに謙遜し、「安斎は、現実に鬼がいたらこういう声なんだろうな、という声。アフレコでは後ろ姿しか見えませんが、前に回りこんでどんな表情で演じているのか覗いてみたいくらい」と松岡をリスペクトしながら、「歌唱では今までにない“叫び”も重視しました。この曲で少しでも“つぐ兄(=松岡)”が演じる安斎に寄り添えたらいいなという気持ちで」と熱く語った。

トークの時間はあっという間に過ぎ、エンディングに。客席に向けた挨拶では、木村が「とにかく、すごくいい現場でモノ作りができていることを伝えたい」とコメント。「収録には途中参加でしたが、本当にいい現場だったので、その理由を考えたんです。現場では、松岡くんの“とにかくいい作品を作りたい”という想いが強くて、口数は少ないけれど現場をきちんと引っ張っている。それがいいんだとわかりました」と、松岡の座長ぶりに太鼓判を押した。木村から肩にポンと手を置かれた松岡も、にこやかながら一層引き締まった表情に。収録でのコンビネーションの良さが垣間見えるその様子に、他のキャストも納得の様子でうなずき、客席にも笑顔が広がっていた。

松岡は「血がたくさん出ますし、恋愛シーンなどの“攻めた”描写もありますが、それによって、鬼とヒトの間にある溝がこんなにも深く、つらく悲しいということを感じていただけると思います。全力でお届けしますので、最後までおつきあいいただけたら!」と客席に熱いメッセージを送り、最後にキャスト一同が深く一礼。今後の展開にますます期待が高まる中、安斎の父親役としても出演する宮野真守のED曲『そっと溶けてゆくように』とともに、先行上映会は幕を下ろした。